「姿勢良く座って勉強しなさい」が間違っている!?
社会の一般常識として、「勉強や読書は姿勢良く座ってするものだ」というものがあります。また、小学生の頃に一番最初に言われたことは「じっと座って勉強しなさい」だったという方がほとんどではないでしょうか?しかし、最近では立って勉強した方が良いという論文が出ているんです。そこから3つの論文を紹介したいと思います。
1.この実験はテキサスA&Mヘルス・サイエンス・センターによるもので、7~10歳の小学生282人を対象にし、全体を半分に分けた
- イスに座って授業を行う
- スタンディングデスクで授業を行う
前者のグループは一般的に行われている通常の授業。後者のグループは立って授業を行ったグループ。実験の結果、立ったまま授業を行った子どもは、
- 作業の達成度が12%上がり、これは注意力の持続時間が7分程度増加した計算である
- 教師の質問に手をあげる回数が増える
- グループディスカッションへ積極的に参加するようになった
- 授業に関係のない生徒の雑談が減少した
といった傾向が見られた。
2. この実験はテキサスA&M大学によるもので、34人の高校生を対象に、24週間スタンディングデスクを使用した後、全員に認知テストを行い、特殊な装置で脳の働きを画像化したもの。その結果、スタンディングデスクを使った学生は
- 脳の実行機能が大幅に向上した
- ワーキングメモリも大幅に向上した
また、脳の画像をチェックしたところ、スタンディングデスクを使った学生は前頭葉の血流が良くなった。
3. この実験はテキサス大学によるもので、スタンディングデスクをどの程度使えば良いのかという研究である。コールセンターの従業員167名を2つのグループにわけ、新規客の成約率を調べたもので、
- 1日中ずっと座って作業をする
- 立ったり座ったりしながら作業をする
の2グループである。この実験では、後者は従業員の好きなタイミングで立ったり座ったりを調節できる。結果は
立ったり座ったりを調節したグループは生産性(成約率)46%上がった
また、生産性を上げるためには、イスに座る時間を1日に1時間36分減らせばよいという結果も出た。よって、1日中立ったままでなくても、生産性が上がるということになる。しかし、最初の1カ月は生産性は上がらなかった。ところが、2カ月目になったところで大きく生産性が上がり始めた。スタンディングデスクに適応するためには1ヶ月以上かかるのだろう。さらに、6カ月が過ぎたあとには、参加者の75%が身体の痛みや不快感が減った。
この3つの論文より、長ければ長いほど良いですが、1日最低1時間36分以上スタンディングデスク、もしくは立って勉強すれば生産性が1.5倍程度増え、脳の実行機能やワーキングメモリにおいても大幅に向上するため、立って勉強すべきということが明らかになっています。僕はずっと予備校に通ってましたが、自習室にスタンディングデスクを置いているところはありませんでした。つまり、まだ多くの人が座って勉強しているということです。なので、スタンディングデスクを使うことで受験生や資格を取りたい人は他の人より優位に立ちやすく、読書など勉強したい人にとっては効率よく勉強できるのではないでしょうか。僕は部屋の大きさの関係で、スタンディングデスクではなく、少し高めの棚を使って勉強しています。スタンディングデスクは1万円くらいでも買えるようなので、一応いくつかリンクも貼っておきますね!
今回のまとめ
- スタンディングデスクは、こどもにも大きな影響を与える
- スタンディングデスクは、脳の実行機能やワーキングメモリを大幅に向上させる
- スタンディングデスクは、1日最低1時間36分を1ヶ月以上続ける必要がある